I．開会挨拶（平野委員長）

昨日の天候と打って変わり、今日は素晴らしい天気となり、天竜川天然アユ資源の再生に取り組む会の第一回を迎えることとなりました。皆様、ご出席ありがとうございます。本日は静岡県からは小泉様の代理で奥野様、国土交通省の船戸様はリモートで参加されます。
これまで、天竜川天然資源再生連絡会、天竜川天然資源再生推進委員会、天竜川天然アユ資源の再生に取り組む会と名前を変えて取り組んできています。地球環境は悪化し、河川環境も悪化しており、頭を悩ませている中、関係者から知恵を出し合い、この会を成功させたいと考えています。
産卵床造成を10月29日に高橋アドバイザーの指導の元で行いました。今日は、産卵床がどのようなっているかを見に行きます。
この天竜川天然アユ資源の再生に取り組む会が有意義になればと思いますので、よろしくお願い致します。

II．事務局より年間スケジュール説明

来年度は、メンバー、アドバイザーから指導を頂きながらアユ資源の再生に取り組んでいく。5月に河床耕耘作業箇所の確認、8月にアユ産卵床造成地点及び造成方法の検討、10月にアユの産卵床造成作業箇所の確認、2月に秋葉ダム直下（西川合流部）の瀬の造成工事箇所の確認を行う予定である。（事務局）
来年度は、当面はこの4つについて取り組むのか？（高橋アドバイザー）
→ 基本的にこの4つをベースに活動を行っていく。（事務局）

IV．その他

今回は話題提供無し。
静岡県では、中部地区、西部地区にて産卵調査を行っているが、アユが減少している。また内水面(漁協)の取り組みのパワーが落ちている状況である中、このように地域一帯で取り組んでいることは素晴らしいことで、現場から学んでいきたい。また、できるだけのサポートをしたいと考えている。

V．産卵床造成場所の確認（現地へ移動）

10月28日～10月29日に国道1号線から約500m下流の左岸側地点で産卵床造成を行った。
造成時には一時的に濁度が200度程度まで上昇したが、造成終了時には元の濁度に戻った。
水路完成後は、表層の砂を流す為に人力による敷き均しを行った。

• 産卵床水路の河床は、上層に礫が敷かれたように見えるがどのように造成したか？
  （有川アドバイザー）
  →水路開削時に土砂を両岸に置き、水路完成後にその土砂を投入した。（電源開発）
• 産卵床では産卵が行われていることを確認したが、期待していた程では無かった。（漁協）
• 水路の上流側では水深が深く流速が遅く、砂（泥）が多く表面に堆積している。下流は水深が浅く流速が速いため、表面に砂（泥）の堆積がなく、産卵したと考えられる。産卵量が少なかったのは、親魚が少なかったことに加えて、天竜川では水深が1.5m以上の深瀬が産卵場として選択される傾向にあることも原因と考えられる。産卵床造成の効果（コケが付いていない浮き石河床）は、造成後1週間程度は維持される。（高橋アドバイザー）
• 天竜川の規模自体が大きいため、その年の主産卵域が絞り込みにくい。そのことが産卵場を造成したとしても効果を出すことを難しくしている。他の河川のようにうまくいかないのは、このような天竜川独自の問題点が多いためである。（高橋アドバイザー）

【配布資料】

• 2020年度（第3回）天竜川天然資源再生推進委員会スケジュール（事務局）
• 2021年度　第1回「天竜川天然アユ資源の再生に取り組む会」次第（事務局）
• 天竜川天然アユ資源の再生に取り組む会　名簿（事務局）
• 天竜川天然アユ資源の再生に取り組む会　年間スケジュール（事務局）
• 天竜川河川敷におけるアユ産卵床造成試験（造成時・速報）　（電源開発）

【出席者】