会場は“溜まり”と呼ばれる本流の流れから独立した池で、河原の砂礫を透過したきれいな伏流水が湧きだす場所。ここに、2日間で約550kg(おおよそ2500匹)のニジマスを放流し子供達に無料で解放しました。
当然ながら魚影は濃く、運の良い子供は釣り始めてすぐに魚信があり、その強い引きに当惑しながらも懸命に魚をたぐり寄せます。その後はそこら中でニジマスの銀鱗がきらめくと同時に、会場は子供達の歓声であふれました。
男の子はもちろんですが、意外なのは女の子とお母さん達が上手に魚を釣り上げる光景が少なくなかったことです。中には立て続けにニジマスを釣り上げ、大喜びする母娘もいました。
また、釣り好きで慣れている子供達は、午前中の短時間で10数匹釣り上げ、昼前には意気揚々と帰路につく家族やグループもちらほら。
反対に、なかなか釣れず、ご機嫌斜めの我が子をなだめていた親御さんが、いつのまにか竿を振っていたり…このイベントでは18歳以下しか釣りは出来ないので、本当は反則です(笑)。
とは言え、釣り好きな大人にとって目の前で魚が釣れていれば、自分も釣りたくなるのが人情。息子の強力なサポーターとして、エサ付けから竿の振り下ろし、取り込みまでを自分のことのように大騒ぎしながらやってくれるお父さんも。
天竜川漁協では、川が身近な遊び場となることを願って、釣りの楽しさを体験してもらいたい思いからこのイベントを毎年開催していますが、釣りの楽しさはもとより、家族と一緒に楽しめるイベントとして、子供の情操発達に寄与できればと考えます。
参加した家族の中には、三世代で楽しんでいた方々もいましたし、父と子、母と子の、密接な時間を過ごした方もいたことでしょう。
普段、学校や仕事があって、時間的な余裕もなかなかない中で、休日に手軽に釣りをしながら親子で楽しく笑える時間が、参加者にとって何よりの釣果だったのではないでしょうか。