天竜川の『サツキマスダービー』は15年目を迎え、98件という多数のエントリーがありました。反面、例年にない好結果となった2013年に比べると、2014年は魚体がやや小型化の傾向—全体的におおよそ4cm前後サイズダウン—となりました。河川状況が安定しかつ釣行可能日が多く、アユも含めて好漁に恵まれた2013年の釣果が特別なものだったのではないかと思われます。
サツキマスもアユ同様に回遊魚であり、海での成育環境や河川状況ではアユと似たような影響を受けます。26年のアユ遡上が少なかったのは、海域、環境(エサ環境や酔狂)の影響だと思われますが、同様にサツキマスも遡上前の減耗などで釣獲数が減少し、同時に個体ごとの成育も伸び悩んだと推測できます。
さらにはアユの遡上が少なかったことが、エビ・カニに加えアユを捕食するサツキマスの成育や歩留まりを抑制したかも知れません。また、サツキマスは海降して魚介類を多く摂取し大型化しますが、海降せず大きく育たなかった放流個体も若干おり、それを釣獲・ダービー登録した可能性も考えられます。