子供の頃から釣りを愛し、年をとってもいまだ気持ちが変わらない一釣り人としての意見です。アユ釣りは制限ばかり厳しくなっていきますが、私は濁水の影響が大だと思っています。ウグイ、ハヤ等の魚も少なくなっています。防止膜の試験もされているようですが、最低流量(ダムにおける日常放流)の見直しがすぐ出来る最初の課題ではないでしょうか。
ダムは、様々な人たちの役に立つよう計画されますが、その一方で、それまでの河川環境を変化させてしまいます。河川を愛するみなさまの意見を大いに参考に、環境改善をしていきたいと考えています。
佐久間貯水池における濁水長期化の主たる原因は、洪水時における上流からの濁水流入です。佐久間貯水池は貯水容量も大きいので、沈降効果も大きいのですが、それでも上流からの濁水が細かいので、なかなか沈降しません。このため、水質(濁水)改善対策は、貯水池の流動制御により沈降を促進する方法が適しているものと考えられます。
流動制御方法としては、いくつかの貯水池で実績のある「濁水防止膜」の採用が考えられます。「濁水防止膜」は洪水時あるいは濁水発生箇所に対する湖内の水質改善に対処するものであり、規模は小さいものの実績もある方法です。濁水軽減として汚濁防止膜による現地試験を行っております。
また、河川維持のための放流試験も予定しており、河川環境の改善に取り組んできたいと考えています。今後はホームページを通じて試験の様子および結果についてお知らせいていく予定です。
(電源開発株式会社・喜多村雄一)
確かにおっしゃる通りです。濁水だけではありませんが、いろいろな要因によりアユを始め多くの水生生物が減少をしています。漁協では、河川環境を整えることが最重要課題だと考えておりますが、残念ながら一朝一夕に解決出来るものではありません。環境の再生に向けた取り組みを行なうと同時に、規則により資源利用を管理することで資源の維持・回復を目指しています。また、ダムによる水利用にはいろいろな機関が介在しており、多くの制約があるようです。ダム運用の見直しも必要だと思いますが、水質の浄化・向上を引き続き求めていきたいと考えます。
(天竜川漁協・平野国行)