第28回天竜川天然資源再生連絡会

第28回天竜川天然資源再生連絡会の様子

日 時

平成28年6月30日(水)13:30~16:30

場 所

天竜川漁業協同組合2階会議室

出席者

たかはし河川生物調査事務所:高橋勇夫農学博士
中部大学   :村上哲生教授
京都大学   :竹門康弘准教授
いであ株式会社:兵藤グループマネージャー
天竜川漁協  :中谷総務委員長、野澤業務副委員長、谷髙事務局長
静岡淡水魚研究会(静岡市環境学習指導員・静岡県環境学習指導員)
       :足立氏
国土交通省浜松河川国道事務所調査第一課:林課長
 
電源開発(株)
 茅ヶ崎研究所:喜多村シニアエキスパート
 中部支店  :中嶋副支店長
  用地G  :畠グループリーダー、上野
 佐久間電力所 浜北区駐在
       :佐藤所長代理、金山
(株)JPビジネスサービス社会環境部環境防災システムG
       :小林グループリーダー、石井

目 的

  1. 活動報告
    1. 高橋農学博士
    2. 村上教授
    3. 竹門准教授
    4. J Power
  2. 国土交通省浜松河川国道事務所より
  3. 今後の活動について

内 容

高橋農学博士

  • 6月中旬に実施したアユの分布調査結果について報告がなされた。今回の調査では糸状緑藻の著しい繁茂が見られ、アユの好む珪藻が少なく、アユのハミ跡も非常に少なかった。
  • 電源開発による漁場改良試験箇所におけるアユの分布調査結果についても報告がなされた。巨石投入箇所については、部分的に珪藻を食んでいる状態も見られたものの、より自然に近い状態で石が置かれている状態の方が、アユの生育にとって望ましいため、近自然工法の専門家による助言を得るよう提案を受けた。鮎釣地点の河床掘削箇所、飛龍大橋付近の置土箇所では、適切な対象区が見つかっておらず、評価にあたっては継続調査が必要である。

村上哲生教授

  • 今年度の付着藻類の状況について、現地で採取した付着物の分析結果報告がなされた。天竜川の付着物は、他河川と比べてクロロフィル/フェオ色素比が小さく、死んだ藻類が多いことが分かった。また、強熱残量/強熱減量比が大きく、シルト分の付着が多いことも分かった。
  • 濁度ごとに光の減衰率を調査し、濁度に応じた光合成可能水深を明らかにしたいとの提案がなされた。

竹門康弘准教授

  • 天竜川懸濁成分調査の計画案について説明がなされ、10月頃に漁協の舟を用いて、砂州の前後の採水を行うことになった。
  • 兵頭氏からアユ産卵床造成計画の進捗状況について報告がなされた。河口から9.8-10.0km地点において、上流にフィルタリング効果のある砂州が存在しており、産卵床の適地として注目しているとのこと。

喜多村雄一

  • 平成28年度の活動方針について説明がなされた。河床砂礫の洗浄、環境評価と改善、情報発信の3点について、具体的な活動計画が示された。
  • 環境評価の手法として、プランニングキットの活用が提案された。これまで得られたデータをプランニングキットに入力し、総合的に評価することで、河川環境改善に向けた条件を抽出することを目標にしている。
  • 平成28年度の佐久間貯水池の濁水状況について報告がなされた。5月の出水で濁水が生じたものの、その後は出水が無く安定した状態が継続している。

国土交通省浜松河川国道事務所調査第一課 林課長

  • 平成28年度に浜松河川国道事務所が予定している調査内容について、情報提供が行われた。

今後の活動について

  • 来年度に一般向けの報告会と、専門家向けのワークショップの両方を開催することになった。具体的な時期や内容については、今後漁協事務局と協議のうえ決定する。